よじこ。
- MEI
- 2019年4月11日
- 読了時間: 7分
桜が満開に咲き、春を感じる今日この頃 いつも仕事のことばかり書いているので たまには日常的な話を・・・ 寒い冬が過ぎ、だんだんと暖かくなってくると ちょっと変な人に遭遇する確率が上がるような気がする。 先日5日ほど出張のため 電車を利用したのだが、結構な確率で 電車が遅れる。 当然 社内では 言葉には出さないけど「どうしたんだ??」みたいな空気が流れる。 すると 車内アナウンスが流れるのだが、そのくだりが 毎回同じであるということに気が付く・・・ 「ただいま 線路に人が立ち入ったとの情報により 電車の運転をみあわせています・・」みたいな感じ… ふだん全く電車というものを利用しない私は こう思うわけですよ (どんだけ 線路に 立ち入ろうとするやつがいるんだよ??!) (もしかして おなじやつか??・・・いや。おそらくちがうだろう・・・) そして、なぜそういう出来事に遭遇するのだろう??と 考えを巡らせてみた結果、 おそらく 気候のせいであろうという仮説にたどり着く。 その気持ちも わからなくはない。私だって 春になると心がおどる!! 動物だって起きてくる!! 春には生き物に働きかける不思議なビームがあるのだと 私は思う。 ここからが本題・・・ 私の住む町は ものすごく田舎で自宅まで結構な距離がある 今でこそ車生活だが、そのむかしは 駅から自宅まで歩いていた 思い返してみると 歩くという行為は 車よりも冒険に遭遇する確率が上がる気がする 当然 変わった人たちにも 遭遇するのだ それはやはり春に多かったように思う。 たとえば 下半身を丸出しにしている大人とか ずっとついてくるおじさんとか 結構ふつうにいた気がする。 これらはただの 変態カテゴリーなので、わたしの心はあまり動かない。正直つまんねことしやがって。。とすら思う しかし時々 私の心を動かす 変な人というのが存在するのだ 毎日 駅のロータリーを掃除している 「コカジ」と呼ばれていた男 本名など 素性的なものは一切知らないが、 彼は 一生懸命塵取りで ごみを集めては その集めたごみをまき散らし また一心不乱に掃除する 一定時間を過ぎると満足するのか どこかへ帰っていくのだが、 驚くことに 結局 集めたごみは そのまんまである!!! 「コカジ」・・・一体何がしたいんだ!!? めっちゃ気になる!! とか ものすごく笑顔で 一人チャリンコを漕いでいる少年 どうしてそんな笑顔なんだい??! とか 死んだ魚の目で 靴下などを売りつけて来ようとする 宗教のお姉さん 一体何があったんだ??!とかとか 好奇心はあるのだが、びびりの私は気になりつつも いつでもにげれるように距離を保って様子を伺いますよ。 だってこわいからね そんなへたれオカルト好きの私が ある春の夕暮れ 一人の正義感あふれる友人のせいでホラーな目に遭うことになる。 そんな話・・・ わたしの地元で トップクラスにかかわっちゃだめだけど気になるやつ通称「ヨジコ」と言われる女がいた 毎日四時ごろになると現れるので 「よじこ」というのが名前の由来らしいが、 長い黒髪に 派手な服 突然奇声をあげたり、なにか ぶつぶつとしゃべっている「よじこ」は、電車に乗ったり ショッピングセンターに行ったりするので かなりの人が よじこの存在を知っていた なんでも その昔よじこは 地元で一番頭がいいという高校に通うほどすごいやつだったらしいのだが 厳しい親に 恋人との結婚を無理やり破局させられ それ以来 このような有様になってしまったらしい 四時ごろ出かけていくのは その恋人を探すためであり おそらくそのファッションも今はどこかに行ってしまった恋人に見せるためのものをこじらせたのだろう・・・ あてもなくさまよう姿と、その悲しいエピソードと、奇声、 口裂け女や座敷女を連想させるそのいでたちが すべてミックスされ 私の中で よじこは リアル都市伝説のような存在で いつも よじこの姿をみかけるたび、くぎ付けになり胸がどきどきしたものだ ある日の学校の帰り道 電車内で楽しくしゃべっていると 突然隣の車両から よじこが入ってきた!! ところが 自分はボックス席の よじこが入ってきたドアとは逆の方向を向いていたので よじこの存在にまったく気が付かない! さっきまで一緒に笑っていた仲間が 急に無口になり、私のちょうど斜め後方をチラ見し、顔がこわばってくる様子を見て私は 「後方に 何か ただならぬものがおる!!」 とっさにそう察した いそいで振り向くと私の背後というか ほぼ隣に よじこがいた!!! 体のなかに 電気が走るような衝撃だった あの 激やばよじこが隣にいる!!あきらかに自分たちが ターゲットである!! やばい やばい やばい!! よじこは立ったままこちらに向かってこう言った 『おまえら バッグかしな!!』 …いま思えば たいして怖くない言葉だが、 その時は なんて言っていいのかもわからず、 おしっこちびりそうなくらい びびってた 奇声を発する 口裂け女みたいのが近づいてきて バッグを貸せとおっしゃられている。。 正直 絶対に貸したくない! いや、むしろ 貸すんじゃなくて あげるから どっか行ってくんないかな?! 頭の中は フル回転しているものの、 完全にフリーズしてしまい 身動きが取れなかった すると 友人の一人が よじこにこう言った 『なんですか?すみませんが、言ってる意味がわかりませんけど?』 …友よ 全く持って 正論だが、 そもそも 言ってることの意味がわからないやつだからこそ 危険なのだ しかも、どちらかというと、よじこは わたしに近い。。 変に逆撫でて 噛まれたりしたら、おいらは気絶する自信がある!! 友人は まっすぐ よじこを見ている つよい女だと 本当におもう 反面 おいらの へたれさ加減が際立ってくる 子鹿のように ぷるぷるシテイル。。 友人の的確なつっこみに、案の定よじこは興奮し、甲高い声で 叫び出す 『バッグ貸せっていってんだろあおぉぉ?!』 自分 もう泣きそうである なんで そんなに バッグかりたいんだよ すると友人 『なんで かさなきゃいけないんですか?』と これまた ど正論を突き返す すると よじこ 新たな反撃に出るかと思いきや、ブツブツと 何やらいいはじめ どこかへ 立ち去っていった よじこを 撃退した友人は ちょっと ドヤ顔をしていて 気持ち良さそうだった わたしも ほっとして 胸をなでおろしたのだが、そこで えらいことに気がつく。 『わたしは よじこと 同じ駅で降りなくてはいけないのだ!!!』 なんたること!! たよりの友人は 電車をおりたら 居なくなってしまう! すぐに下車して、次の電車に乗る事もできるが、田舎のため 一時間は 待たなくてはならない 万が一地元じゃない場所に 下車したところでよじこがいたら 土地勘がなさすぎて アウトである ! わたしは 自分の駅近くになったら 階段の一番近くにある 車両までうつり ドアが開いたら ダッシュで階段を登って 逃げる作戦で乗り切ることにした そろそろ 駅に近づこうとしている わたしが 階段に一番ちかいところでとまる車両まで いくと なんと、そこに よじこがいた!! な、な、なんてこったい! もうすぐ駅つくし、よじこの方が階段近いし、 あきらかに さっきの友のあおりで よじこは わたしにロックオンしてくるに違いない!! めっちゃこえぇ!! そうこうしてるうちに 電車は 駅にたどり着いた ゆっくりホームに降り わたしは 階段めがけて 猛ダッシュした! もはや、強行突破するしか道はない 田舎のため 下車したのは よじこと、わたしと、ほか数名。 五時をすぎると駅員すらいない 家まで 歩いて30分の道のりは サイドが田んぼのくらい一本道だ ふだん 運動を全くしないわたしが 全速力でよじこの前を横切った!階段なんて2こ飛ばしである すると よじこも 走り出してきた!! 『かーばーんかせぇえよぉおぁあ』 いや、だからどんだけ かばん借りたいんだよ と思いながら ひたすら走った! この時が 人生で一番本気で走った時だろう なんとか よじこを振り切り 家までたどりついた 不思議なもんで、わたしは、恐怖を感じだ後 めっちゃ笑う体質らしい ほっとした瞬間 腹がよじれるほど一人で笑った 春の夕暮れのぞっとした話を 後日 2こ隣町の バイト先(ジャスコ)の先輩二人に話したところ その二人の返答が さらにわたしをぞっとさせることになる 先輩A『めっちゃうける! あいつこわいよねー!』 先輩B『わたしもそいつ知ってるー!でもさ、 あいつ ちょっと めいっぽいよね?』 先輩A『あー!にてる、にてるー!!』 自分 『なんですとぉおおおー!!!』 ある春の何とも言えない思い出でした 皆さまも 暖かくなってきたので、街角にいるそんな変な人に注意してください でももしかしたら、自分も他人からみたら そちらのカテゴリーに属されているかもしれませんぞ? END

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